
小学生の子供が英語にまったく興味を持ってくれないのだけど、どうしたらいい?
このまま英語の勉強をさせたら、英語嫌いになりそう…
「英語が話せるようになりたい!英語を勉強したい!」
そんなモチベーションの高い子供であれば英語を勉強させるのはあまり苦労しないかもしれません。
でも、英語に全く興味を持ってくれなかったり、英語が嫌いだったり、苦手意識を持ってしまう子もいます。
英語が好きではない子供に無理やり英語を勉強させても、逆効果になってしまうのでは、、、と不安になりますよね。
確かに、英語を話せるようになるには、「英語を好きになること」や「海外に興味を持つこと」が一番の近道です。
この記事では、どうしたら子供が英語に興味を持ってくれるのかな、好きになってくれるのかな、、、と頭を悩ませている方向けに、英語に興味を持たせる方法と嫌いになってしまった場合の対処法を解説します。

バイリンガル英語講師のエリです。たくさんの子供たちに英語を教えてきた経験との応用言語学や脳科学、心理学の知識から、子供たちが英語を身につけるために必要な「モチベーション」について解説します。
この記事の内容
- 英語の必修化・教科化で英語嫌いは増えるのか
- 子供が英語に興味を持つために有効な3つのこと
- 英語が嫌いになってしまった時の対処法
について解説します。
小学校での英語の必修化で英語嫌いな子供が増える!?
2020年度から小学校でも英語が教科化されるようになりました。
5,6年生は成績表で評価されることになり、英語は「勉強しなければいけない」対象になってしまいました。
そのせいで、ますます子供たちの英語嫌いが加速するんじゃないか、なんて声も聞こえてきます。
実際には、中学校で英語が始まっても、英語が嫌い、英語が苦手という子供たちは一定数います。
小学校で英語が始まり、そういった潜在的に英語嫌いになる子供たちの、「英語が嫌い」という認識が早まることはあるかもしれません。
でも、小学校で教える英語は、中学英語とは違い、聞く、話すのコミュニケーションが中心。
中学校の英語よりはだいぶとっつきやすい上に、年齢が低い方が英語への抵抗も低いので、「英語嫌い」の子供は減ると予想しています。
小学生で英語に興味がないと、焦ってしまうかもしれません。でも、年齢が若いほど、きっかけ作りで英語を好きになってもらうことができますし、まだまだ取り返すことができます。
英語は興味がなくても学習すべき、必須スキル
子供の性格や興味は十人十色。
昆虫が大好きな子、お絵かきに夢中な子、YouTuberになりたい子、サッカー選手になりたい子、いろいろです。
でも、英語がお絵かき、サッカーなどと違うのは、興味がなければやらなくていいというものではなくなってきているという点です。
将来、昆虫の研究をするにしても、サッカー選手やYouTuberになるにしても、どんな分野で活躍するにも英語力は確実に持っていた方がいい必須スキルです。
小学校で教科化され、さらに中学、高校、大学、就職活動と子供達がこれから大人になるにつれ、どんなに興味がなかったり、嫌いになったとしても、英語学習は避けられないものだ、ということは1つはっきりと分かっていることです。
小学生のうちから英語に対して苦手意識や嫌いという感情を持ってしまうとのちのち大きく響いてくる可能性があります。
そこで、今、子供が英語に興味を持ってくれなかったり、苦手意識ができてしまって悩んでいる方のために、対処法を紹介します。
子供の英語嫌いを直すためにできる3つのこと。
まず、子供が英語に全く興味がなかったり、嫌いだったりする場合に、親ができる3つのことをご紹介します。
長期的なベネフィットを伝える
子供は長期的に物事を考えることはできません。
よく分からない英語の勉強より、目の前のゲームが楽しいのは当り前です。
そんな子供たちに「将来役に立つよ」なんて言っても、あまり響かないかもしれません。
でも、英語がどのように使えるのか、例えば、サッカー選手になりたい子供なら、海外で活躍するには英語力があった方が監督やコーチ、チームメンバーと直接話して、インタビューだって英語で受け答えができてかっこいいよ、と伝えたり、YouTuberになりたい子供なら、英語が話せたら、見てくれる人をもっともっと増やせるんだよ、と言った具体的な例を伝えます。
すぐには伝わらないかもしれません。でも、いろいろな場面で英語を学ぶベネフィットを伝えると、小学3年生、4年生くらいの子供なら「やっておいた方がいいんだな」ということがだんだんと伝わります。
積極的に英語を好きになることはなくても、英語を勉強することに対する抵抗はなくなります。
まず、『納得』させることが大事です。
教材を1つに絞って最後までやってみる
英語に苦手意識があったり、嫌い、と思うのはおそらく「意味が分からない」から。
英語学習には単語を覚え、たくさんの英語を聞き、たくさんの文章を読み、文法を学び、話す、といういろいろなアプローチが必要です。
本来であれば、フォニックス、サイトワード、サイトワードリーダー、聞き流しなどを平行してやることをお勧めしますが、英語に興味がない子や苦手意識がある子供には、まずひとつ、子供の抵抗が少ない面白そうな教材を初めから最後まで一度やり通すことをおすすめします。
重要なのは、子供が抵抗なく無理なくできる教材を選ぶこと。
フォニックスやサイトワードに特化した教材よりは、体系的に英語学習がすすめられ、楽しくフレーズが覚えられるハッピーイングリッシュような教材がおすすめ。
子供に限らず、大人でもそうですが、モチベーションを保つには、簡単すぎず、難しすぎない、分かるけど、少しだけチャレンジングなレベルであることが大切です。
ハッピーイングリッシュでなくてもいいのですが、子供のレベルにピッタリの楽しくできる教材を選んでください。
こうした教材を無理せずやっていくと、最後までいく前に、途中で苦手意識や抵抗が薄れ、英語が楽しい!話したいと思えるようになってくると思います。
自信がついたら、フォニックスやサイトワード、絵本などに挑戦して、英語に触れる機会を増やすのがおすすめ。
外国語習得を専門にしている言語学者スティーブン・クラッシェンによると、大事なのは「Comprehensive Input」つまり理解を伴うインプットです。
英語嫌いの子供に、いきなり英会話教室やオンライン英会話を選ぶことはおすすめしません。
小学生が家庭でできる、確実に英語が身につく学習方法はこちらの記事で詳しく解説していますので、目を通してみてください。
英語に興味を持たせるきっかけ作りをする
英会話講師として、たくさんの子供たちと接した中で感じるのは、やはり、英語力が伸びる子は「英語が好き」だということ。
英語が得意だから好きなのか、好きだから伸びるのか、これは鶏と卵の話のようですが、どちらも言えると思います。
英語が得意になれば、好きになるし、好きになれば得意になる、ということです。
でも、英語に興味がない子を英語好きにするのは、実はそこまで難しいことではありません。
小学校で学ぶレベルの英語はそこまで難しくて理解ができないということはないので、英語に興味がない、嫌い、というのは単純に興味を持つ「きっかけ」がなかっただけの話です。
例えば、ピアノがとても上手な子は親がピアノの先生であったり、音楽好き一家だったりすることは良くあることです。
小さな頃から触れていて、実際にピアノやクラシック音楽に触れる機会が多いのですから、子供も自然に興味を持つようになります。
きっかけとなるのは人それぞれで、海外旅行だったり、面白い海外のYouTubeだったりするかもしれません。
大事なのは親が「この子は英語に興味がないから仕方ない」と諦めずに、「こんなものもあるよ」と見せてあげることだと思います。
海外旅行ができたら、それも大きなきっかけになりますが、日常生活の中でも、例えば旅行雑誌で綺麗な写真を見て、いつかこんなところに行きたいね、英語ができたらいいね、と言った何気ない会話をしたり、サッカー好きな子であれば、海外で活躍するサッカー選手のインタビューを見せてみる、宇宙が好きな子であれば、宇宙に関するYouTube動画や、ドキュメンタリーのDVDを字幕つきで見せてみるのもおすすめです。
「英語が話せること」で具体的に何ができるのかが目に見えてわかることが大事。
そうしたきっかけ作り、環境づくりを意識してみてください。
勉強する理由が分かると、やる気も全然変わってきます。
日本以外にも世界には色々な国があって、英語を話せると色んな国の人と会話ができる、違う国に行って、色々な体験ができる、そういう世界に目が向けられるようになると英語を勉強するモチベーションもあがります。
ここで紹介した方法を試したら、おそらく数ヵ月後には英語に興味を持って英語学習ができるようになっているはずです。
英語に興味がないから、と諦めてしまうのはもったいないので、できるところからやってみてください。
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