バイリンガルの育て方|手遅れになる前に知っておくべきこと

子供をバイリンガルに育てるには?
バイリンガルの育て方を徹底解説
    • 子供には英語を話せるようになって欲しい。
    • 親子留学をして、子供をバイリンガルにしたい
    • 海外に駐在に行くので、子供にはその間に英語を身につけて欲しい。
  • 子供はハーフなので、父と母両方の母国語を学んで欲しい。

状況は色々違っても、子供をバイリンガルに育てたいと思っている方も多くいると思います。

でも、そもそも何故、私達は子供にバイリンガルに育って欲しいと思うのでしょうか?

それは、大人(親)は「バイリンガルであることの利点」を分かっているから、ですよね。
ベネフィットがなければ誰もバイリンガルに育てたいなんて思いません。

バイリンガル育児は、脳科学的にも社会的にも、色々なメリットがあります。

でも、子供達はそんなこと分かりません。

この記事では、バイリンガル育児のベネフィット、どうしたら子供たちのモチベーションを保ちつつ、バイリンガルに育てることができるのか、を解説したいと思います。

バイリンガルの利点

ワーキングメモリが向上する

様々な研究で、バイリンガルの子供達のは、モノリンガルの(一ヶ国語のみを話す)子供たちに比べて、ワーキングメモリが発達していることが分かっています。

ワーキングメモリは作業記憶といって、物事を一旦記憶しながら作業する、日常生活には欠かせないほか、勉強でも、仕事でも、とても大事なもの。

ワーキングメモリを鍛えることは他の方法でもできますが、多言語を操ることでワーキングメモリも向上するのは、一石二鳥ですよね。

コミュニケーション能力が上がる

また、他の研究では、日常的に二ヶ国語以上の言語に触れていると、社会性やコミュニケーション能力が上がることが分かっています。それは、母国語以外の言語を理解するには想像力を働かせより相手の言うことを理解しようと脳が働くから。

コミュニケーション能力の向上も嬉しい副効果ですね。

選択肢が広がる

日本語と英語が話せれば、将来、仕事の幅も広がります。住む場所も、仕事も、友人も、パートナーも、二ヶ国語が話せると人生での選択肢が広がります。

子供をバイリンガルに育てるために親が知っておくべきこと

バイリンガルに育てることはそう簡単なことではない

日本の英語教材は、「○○日で英語がしゃべれるように」とか「○○でバイリンガルに!」みたいな宣伝文句が多いですが、正直1つの教材やオンライン英会話を週1,2回やっただけでバイリンガルになれるほど、言語の習得は簡単ではありません。

ハーフの子供で両親から二ヶ国語で話しかけられていても、やはり住んでいる国以外の言葉を習得するのはそれ相応の努力が必要です。

子供は将来のためになんて勉強しない

子供達は「将来英語が話せたら、便利だろうから今から勉強しよう」なんて、普通は思わないものです。
もちろん中には自然と英語や外国に興味を持つ子もいます。
そういう子供には、「好き」という理由で外国語が勉強できるのですが、子供が「将来の利益」を考えて勉強することはありません。
子供は具体的に将来を想像することもできないし、大人以上に「今」を生きることが上手いのです。
将来のために今があるなんて考えて生きていません。

算数だって、国語だってそう。やってくれるのは、「好き」だからか「やらなくちゃいけないから」であって、「将来のため」にやることはないのです。

バイリンガル育児に一番必要なのは親の覚悟

では、どうしたらいいのでしょうか。。。

バイリンガル育児に、まず一番に大事なのが親の覚悟です。
なぜか?もちろん子供の意志や興味を尊重して、子供に合ったものは何か考えてあげるのも親の役目です。
でも、子供の興味や意志なんて、ころころ変わるし、その都度子供のいうことだけを聞いていたら、ただわがままを許していることにもなりかねません。

例えば野菜は食べたくない、お菓子が食べたい、という子供にジャンクフードばかり与える親はあまりいないかと思います。

子供の意志を無視しても、なんとか上手く野菜や栄養のあるものを食べさせるのが親の責任!と思いますよね。

でも、習い事などになると「子供の意志」を必要以上に尊重してしまう。
「ピアノをやりたい」と言ってはじめたのに、毎日のレッスンが嫌になって「もうピアノをやめたい」という子供の意見を聞いて、次はスイミング、空手、とどんどん違う習い事をやり、最終的に全部嫌になってやめる、なんてことになりかねません。

もちろん、色々試してみて、一番合ったものを見つける、という方法もあります。

でも、語学習得については、絶対に「継続」しないと伸びていかないのです。そして、興味を持った時にまた始めれば・・・では、遅すぎてしまうことも。

本来、語学習得に遅すぎるということはないのですが、ある種の文法、発音、リスニングなどは、子供の頃からやっていた方が習熟度が高いことも分かっています。
なので、手遅れになるまえに、親が続けられるように努力をしていくことが大事です。

語学だけでなく、ピアノやテニス、野球、なんでもいいですが子供の頃から何かを始めて、続けている人たちが、途中で嫌になったことがないのか?という「No」です。続けていく中で伸び悩んだり、嫌になることって絶対にあります。

そこで嫌になったから辞めてしまったら、結局何も身につかないままになってしまいます。

英語学習を続けられるために必要な習慣化

語学学習を続けられるようにするには、まず習慣化が大切です。
歯磨きやお風呂に入ることは毎日することが当り前なので、苦痛を感じることがありません。

英語も同じ。毎日勉強として続けることが難しくても、毎日英語のCDを何分か聞く、英語の絵本を1冊読み聞かせる、など日常生活の中で続けることで身についていきます。

子供の興味

子供は将来のベネフィットを考えて今の行動を決めたりできないため、親の覚悟が一番大切なことはお話したとおり。
でも、無理にやらせるよりは、自然と興味を持てるように導いてあげられたら、それが一番効果的です。

恐竜が好きなら、恐竜の図鑑やビデオを英語で観てみたり、プリンセスが好きなら、ディズニーのアナ雪や美女と野獣、ラプンツェルのDVDを英語で観たり、子供が興味を持てることを英語でやってみるのがおすすめです。

普段から外国語のテレビや映画、DVDを(字幕つきで)も観ている生徒は、観ていない生とより、その外国語の成績がよいというベルギーの研究があります。

興味のある分野のDVDを購入して、字幕をつけて観たり、日本語で観てあらすじを理解したあとに英語で観てみたり、色々な使い方ができるので、DVDはおすすめです。

海外で育つ子供に日本語を教えるには?

バイリンガル教育、と言っても、日本で育つ子供に英語を教える場合と、海外で育つ子供に日本語を教えるのではまたやり方が変わってきます。

海外で育つ日系の子供が日本語を身につける方が、日本で育つ子供達が英語を身につけるより簡単に思う方もいるかもしれません。
両親、あるいは母親か父親のどちらかが日本人であれば、日常生活の中で日本語に触れる機会があるため、日本語を習得しやすいように思われがちです。

でも、実際のところ、海外で育つ日系の子供たちの中でも、日英両方を流暢に話せる子供の割合は少ないです。
それでも、海外で育つ日系の子供たちの方がバイリンガルに育ちやすいのは、海外に住む日本人の親が「日本語を教えよう」という覚悟が強いからではないかと思います。

海外で育つ日系の子供たちの大きなチャレンジは、漢字。

日本で育つ子供たちが英語を学ぶ場合、アルファベット26文字を覚えて、フォニックスやサイトワードを勉強すれば、ある程度読むことができます。知らない単語も、全てアルファベットなので、調べるのも簡単ですよね。

一方で、海外で育つ子供たちは、小学生に入ったら、毎年何百文字もの普段の生活で使わない漢字を覚えていかなければいけません。

海外で育つ子供たちがどのようにしたら日本語を習得できるのか、答えは1つだけではありません。
でも、1つ確実におすすめできるのは、「多読」です。

日本で育つ日本人の子供たちの英語学習にも、「多読」が有効であることはいくつかの研究で証明されていますが、海外で育つ日本人の子供たちの漢字学習にも「多読」が有効であると感じます。

海外で育った自分自身も含めて、漢字ドリルやフラッシュカードで漢字を覚えるより、コンテクスト(文脈)の中で何度も同じ漢字に触れる方が頭に残るのです。

特に日本には他の国にはない、面白いマンガがたくさんあります。海外で育つ子供たちの日本語を伸ばすには、まず、ひらがなとカタカナを確実に読めるようして(ひらがな、カタカナの習得はドリルなどの練習で簡単にできると思います。)たくさんのマンガや本を読むことが一番です。

日本で育つ子供たち、海外で育つ子供たち、どちらにしても、バイリンガル育児には「多読」はおすすめです。

バイリンガルに育てよう!と思ったら、覚悟を決めて、子供の興味をひくように試行錯誤して、日常生活に取り入れ習慣化。これがバイリンガルへの道と言えるでしょう。

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